お役立ち情報
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介護士として働くなかで日常的に行なう排泄介助ですが、デリケートな部分でもあり、プライバシー保護をしながら介助を行なう必要があります。今回は排泄介助の注意点と、対応に悩んでしまうケース別の原因・対応方法を中心にお伝えします。
排泄介助とは、自分自身では排泄の動作が難しい方や、排泄の機能に障害がある方に対して介助することです。
排泄のしくみは共通ですが、考え方や排泄のしかたは育った環境や文化によって異なります。
そのため、その人の考え方に寄り添いその人に合った方法を選択することが大切です。
排泄方法にはトイレやオムツなど種類がありますが、ご利用者様のADL(日常生活動作)を考慮して選択する必要があります。
以下で排泄方法の種類と特徴をご紹介します。
トイレは尿意・便意があって座位保持ができる方や、介助によりトイレまで移動できる方に適しているでしょう。
高齢者は足の筋力が落ちている場合があるため、安全面を考慮し洋式の使用がおすすめです。
ポータブルトイレは歩行をすることはできてもトイレまで行くのに不安がある方や、座位保持はできても尿意が我慢できない方に適しているでしょう。
基本的には居室に設置して使用します。
便器・尿器はベットで横になったまま使用するのが一般的であり、尿意があっても座位の保持はできない方に適しているでしょう。
尿器には種類がいくつかあり、吸引式やベルトで固定するものなどがあります。
オムツは便意・尿意の自覚がない方や、自分の意思とは関係なく漏れてしまう方に適しており、テープ式とパンツ式(リハビリパンツ)があります。
テープ式はベットに横になって過ごす時間が長い方、パンツ式はトイレには行けるが尿や便が漏れてしまう方の使用が一般的です。
また、日中はパンツ式を使用して夜間はテープ式を使用するなど、使い分けをしている方もいます。
ご利用者様のADLや生活環境を考慮して、その人に合わせたオムツを使用しましょう。
どのような点に注意して排泄介助をおこなうと良いのでしょうか?
排泄方法によって配慮する点は異なります。
例えば、相部屋の居室でオムツ交換する場合は仕切りのカーテンを端まで閉めて、オムツ交換後には室内の換気を行ないましょう。
安心して排泄ができるように環境を整え、プライバシーの配慮には注意が必要です。
排泄物の状態や排泄回数により、ご利用者様の健康状態の異常に気付くことができます。
成人の尿・便の性状と量の一般的な目安は以下の通りです。
▼尿
1日の量 | 700ml~3L |
---|---|
色 | 薄黄色で透明・濃縮されると濃い黄色 |
回数 | 1日に4~6回(主に日中) |
▼便
1回の量 | 100グラム~200グラム |
---|---|
便の性状 | バナナ状・半練り状 |
色 | 食事内容に影響されるが基本的には黄褐色 |
回数 | 1日1~3回から週に3回程度 |
以下のような排泄時の様子・排泄物の状態の場合は、体調に異常が見られる場合があります。
●尿の色が茶色(褐色)・黒色・赤色
●尿が濁っている(混濁尿)
●便の色が黒っぽい・白っぽい
●便や尿に血液が混じっている
●排泄時に不快感や痛みがある
●排泄時にいつもより時間がかかる
異常を発見するには、普段の排泄時の様子や排泄物の状態を把握しておく必要があります。
普段と異なる点が見られた場合は医師・看護師・他スタッフに情報共有しましょう。
現場での実際の業務では、対応に悩んでしまうケースもありますよね。
よくあるケースと対応方法の例をご紹介します。
水分摂取量により変動しますが、一日の一般的な排尿回数は日中のみで4~6回くらいです。
それ以上に排尿回数が増えることを頻尿といい、複数の原因が考えられます。
●前立腺肥大症などの病気の影響により残尿感がある
●加齢による老化現象
●血圧降下剤などによる薬剤の影響
●不安やさみしさなどの心因性 など
対応の例は以下の通りです。
ご利用者様から排尿の訴えがあった場合は「さっき行ったばかりですよ」などの不用意な言葉はかけないようにしましょう。
ストレスにより、さらに頻尿になる場合があります。
成人の場合、1日の排尿量が3L以上になると多尿といいます。
排尿量が3L以上となると、原因としては糖尿病・尿崩症・心因性多飲症などが考えられます。
また、薬の影響で口渇感があり、水分を多量に摂取している可能性もあるでしょう。
場合によっては医師・看護師に相談することも必要です。
会話やレクリエーションなどで気分転換をしていただくことも有効です。
「トイレに間に合わなくて汚してしまったら」などと考えると尿意に意識が集中してしまうため、気分を紛らわせられるように工夫しましょう。
オムツを使用しているご利用者様のなかには、オムツをいじってしまう方もいます。
オムツの中に使用していた尿取りパッドだけが床に落ちていたり、オムツが破かれていることもしばしばありますよね。
なぜオムツをいじってしまうのでしょうか。
●オムツを履くことに対して納得していない
●オムツの感触が不快
●陰部・臀部に皮膚トラブルがあり触ってしまう など
対応の例は以下の通りです。
安易なオムツの使用はご利用者様の自尊心を傷つけたり、活動を妨げてしまう可能性があります。
そのため、オムツ以外の排泄方法ができないか検討してみるのも1つの方法です。
移動や衣服の着脱がどの程度できるかADLを考慮して、全過程が安全におこなえれば、テープ式は使用せずにパンツ式で対応しトイレ誘導を行なえるかもしれません。
トイレを使用する補助具には補高便座や背もたれ付きの便座などもあるため、状況に応じて使用も検討してみましょう。
オムツや尿取りパッドが尿や便で汚染されると不快感を感じて、オムツいじりをしてしまうケースもあります。
対策として、ご利用者様ごとの排泄パターンを把握してオムツや尿取りパッドを交換してみましょう。
例えば、夜間の23時ごろにオムツいじりをされており、オムツの外に尿が漏れているとします。
その場合は22時~22時半ごろにオムツ交換を行なってみると、排尿は済んでいてもオムツいじりはまだされていない可能性もあります。
日によって水分摂取量にも差があるため、排泄のタイミングを掴むのは難しい場合もありますが、上手くいけばご利用者様の不快感も軽減され、オムツいじりそのものがなくなるかもしれません。
オムツや防水シートを使用していると陰部・臀部の皮膚が蒸れたり、尿や便に触れて汚染してしまいます。
すると、かゆみが出たり場合によっては褥瘡に繋がる発赤が出てしまう可能性があります。
オムツいじりが見られる場合は、陰部・臀部にかゆみなどの皮膚トラブルがあってオムツの中を触ってしまっている可能性もあるでしょう。
そのため、皮膚トラブルがないかオムツ交換ごとにしっかり確認し、皮膚トラブルを発見した場合はすみやかに医師・看護師へ報告することが大切です。
またオムツ交換時に保清を行ないますが、せっけんなどで洗浄する場合多用は避けて、洗い残しがないように注意しましょう。
今回は排泄介助の注意点と、対応に悩んでしまうケース別の対応方法を中心にお伝えしました。
安全に排泄介助を行なうためには、ご利用者様のADLに合わせた排泄方法を選択する必要があります。
また、今回ご紹介した排泄に関連する対応に悩んでしまうケースと対応方法は、ほんの一例です。
ご利用者様や環境によっても変わるため、多角的な視点を持ってより良い支援を目指しましょう。
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