介護施設で避難訓練をする流れを解説|地震・火災・台風時の対応

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介護施設内で災害が発生した際、利用者様と職員全員が安全に避難するためには日頃から避難訓練を行うことが大切です。避難訓練では利用者様の心身のケアをしつつ、本番を想定しながら行うことがポイント。今回は、大震災・火災・台風などによる浸水被害が発生した際の避難訓練について解説します。

介護施設では避難訓練が大切!

消防法第8条において、一定の基準を満たした建物は防火管理者を選出し、避難訓練を定期的に実施することが義務付けられています。

介護施設の場合、「老人デイサービスセンター」や「特別養護老人ホーム」などが対象として挙げられます。

そのためこれらの施設では定期的な避難訓練が義務付けられていますが、そうでなくとも利用者様と職員の安全を守るために、避難訓練を実施することは非常に大切なことです。

万が一の際に避難方法を把握していないと、施設内で二次災害が起きてしまうことも。

避難訓練を実施して、万が一の際にスムーズに動けるように練習しましょう。

【大震災想定】避難訓練の流れ

大震災が発生した際の避難訓練の流れを説明します。

大震災が発生した際は、施設内にとどまることが安全な場合と、指定の避難所に避難することが安全な場合の2通りがあります。

以下では、外部の避難所に避難する際の流れについて説明します。

大震災からの避難の流れ

震災発生
揺れを感じたら頭を守り、できれば机の下などに避難します。
利用者様にも、発生した状況を想定してもらい、頭を守るような体勢を取ってもらいましょう。
利用者様と職員の安全を確認
まずは利用者様と職員の無事を確認しましょう。
エレベーターに閉じ込められた人がいないかも確認します。
また、医療電子機器を必要としている利用者様の機器が正常に動いているかの確認も行いましょう。
万が一負傷者がいる場合は、ただちに応急処置を行い付近の病院などへ移送します。
避難経路の把握と確保
避難経路の把握と脱出口の確保を行います。
今はドアが動く状況であっても、余震などによりドア枠が歪むと動かなくなり出られなくなる可能性もあります。
物を挟む、開け放しておくなどで脱出口の確保を行いましょう。
また避難中の家具の倒壊などにも気を付けて移動します。

避難の際の確認事項

電源の確保

火元やガス栓を締めているか確認

ドアなど避難経路に物を挟んで閉じ込め防止

家具など倒壊する可能性のあるものがないか確認

余震の可能性に留意

【火災想定】避難訓練の流れ

火災が発生した際の避難訓練の流れを説明します。

炎や煙は回るのが早いため、迅速な行動が必要です。

火災からの避難の流れ

火災発生
火災が発生したら、煙を吸わないように気を付けながら外への脱出を図ります。
個室にいる利用者様を廊下に移動させ、タオルなどで口を覆ってもらいながら避難しましょう。
煙は上空に溜まるため、なるべく低い姿勢で避難する練習も行います。
初期消火
炎が小さい場合は、職員が消火器などで初期消火を行うことも大切です。
利用者様を避難させる職員と消火にあたる職員に分かれ、消火活動を行いましょう。
消火できないと判断した場合は、消火扉を締めてただちに避難します。
消火器の扱い方に慣れるために、室外で実際に炎を使用して訓練を行うのもいいでしょう。

避難の際の確認事項

消防への通報の方法

消火器の位置の把握

火元と避難経路の確保

負傷者の有無の確認

【台風・浸水想定】避難訓練の流れ

台風により浸水が発生した際の避難訓練の流れを説明します。

浸水被害が出た場合は外に出ず、建物の2階以上に避難するようにしましょう。

台風・浸水からの避難の流れ

浸水の可能性があることを確認
浸水がはじまってからでは避難が遅れてしまいます。
周囲の状況や自治会、気象庁からの発表をチェックしつつ、浸水の可能性があると判断できればすぐに避難を開始します。
浸水の可能性がある場合は、建物の2階以上に利用者様を移動させましょう。
1階に浸水してしまうと困るものがあれば、あらかじめ移動させておきます。
「浸水まで1時間」のように、職員間で時間を決め、リアリティを持たせることもポイントです。
停電時の通信手段を把握
浸水が発生すると停電になりやすくなります。
停電してしまった際に外部に連絡するための手段を把握しましょう。
建物からの避難の要請やご家族への連絡は、すぐにできるよう普段から連絡方法を確立させておき、訓練では実際に連絡を行うデモンストレーションまで行います。

避難の際の確認事項

1階に取り残されている利用者様はいないか

浸水すると困るものはないか

玄関周辺は車など危険なものが流されてくる可能性があるため、玄関周辺にはなるべくいかない

周辺の自治体などと連携する

介護施設で避難訓練を行う注意点

介護施設で避難訓練を行う際は、以下の点に注意しましょう。

利用者様の心身のケア

いくら訓練であるとはいえ、実際に災害が発生したことを想定することでストレスを感じられる方もいます。

レクのように軽い雰囲気で行うものではないですが、あまりに不穏な空気を出しすぎないように工夫することも大切です。

不安に感じられている利用者様がいらっしゃれば、しっかり声掛けを行いながら寄り添って訓練を行いましょう。

利用者様の状況に応じた避難

利用者様はしっかり自立して歩行できる方もいらっしゃれば、車いす移動の方、ベッドで寝たきりの方もいらっしゃいます。

そのため、全ての利用者様が同じ経路で同じように避難することはできません。

どのような状況の利用者様でも安全に避難できるように、避難の方法や避難経路、職員何人で避難補助するかなど、あらかじめマニュアル化しておくこともポイントです。

屋外に出る場合は気温に注意

避難のために屋外へ出たり外で避難訓練を行う際は、室内との寒暖差に注意しましょう。

避難訓練では急いで行動したり、急に立ち上がるなど無理な動きをすることが多いです。

そのため寒暖差によってさらに血圧が上がったり、風邪を引いてしまう可能性も。

屋外に出る時間はなるべく短時間にするなどの工夫が必要です。

まとめ

介護施設内で災害が発生した際、利用者様と職員全員が安全に避難するためには、日頃から定期的に避難訓練を行うことが大切です。

さまざまなパターンを想定し、万が一のときにスムーズに行動できるようしっかり練習しましょう。

本記事を参考に、注意点なども踏まえながら避難訓練を行いましょう。
 

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