お役立ち情報
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入所施設や通所施設、介護を提供する施設はさまざまですが更衣介助というのは介護職員であれば必ず携わる業務です。日常的に行われる更衣介助ですが、そのポイントはしっかり理解されていますか?この記事では、更衣介助とは何か、更衣介助のポイントとやり方、着替えがしやすい衣服の例について解説します。
更衣介助とは、自力での更衣が難しい方に着替えの支援を提供することをいいます。
自力での更衣が難しい方の例に、麻痺や寝たきりで身体が動きにくい方や、身体は動くが認知症によって着替えが難しい方などのケースがあります。
更衣介助はポイントをおさえてスムーズにできるようにしておかなければ、利用者に負担をかけてしまうことになります。
もう更衣介助なら知っているという方も、一度自分の介助を振り返って利用者が安心できる介助を提供できるようにしましょう。
更衣介助のポイントを7つ紹介します。
一般的に部屋の快適な温度は冬場で18℃~22℃、夏場で25℃~28℃といわれています。
高齢の方は寒さに敏感です。寒さによって脱衣を嫌がられることがないように、しっかり部屋を温めて更衣介助に入りましょう。
また暑い時期は直接エアコンや扇風機の風が当たらないように配慮しながら、涼しい環境で実施しましょう。
声掛けもなしに、次々と更衣介助を進めないようにしましょう。
更衣介助は脱衣を伴うため、抵抗がある方もおられます。
更衣介助への同意確認や、ひとつひとつの介助に声をかけながら利用者が安心できるように接することがポイントです。
介護士は、あくまで利用者が自分でするには難しい箇所を介助します。
その方の残存能力を活かせるような声掛けや、見守りをするのも更衣介助です。
着替えのお手伝いとしてその場にいるのではなく、利用者の自立支援をするという視点を大切にしましょう。
しかし浴後など、自分で全てしてもらうことによって体力的な疲れがみられる場合などもあるため、そのときの利用者の体調に合わせて対応することが大切です。
羞恥心の強い方は、脱衣に抵抗がある方も多いです。
利用者と介護士以外からは見えないように、パーテーションやカーテンで隠すなどの工夫をしましょう。
また介護士自身も利用者の肌が見える際は、バスタオルやブランケットなどで隠してお気持ちに配慮しましょう。
高齢になると皮膚はデリケートになり、痣や発疹、皮膚剥離などトラブルが起こりやすくなります。
また更衣介助前に健康観察するのは当たり前ですが、介助中に足の痛みや腕が上がりにくいなどの身体の変化がわかることがあります。
他にも怪我はないかなど、更衣介助の際に皮膚の状態・身体の動きに変化はないか確認しましょう。
高齢者は皮膚剥離や損傷、痣ができやすくなります。
介助でも皮膚を強く持ってしまったり、衣服と擦れてしまった際に思わぬ皮膚トラブルを引き起こしかねません。
腕や足を上げたいときは引っ張るのではなく、肘など関節を下から支えて持ち上げるようにしましょう。
着患脱健(ちゃっかんだっけん)とは、片麻痺や拘縮がある方に有効な更衣介助の方法です。
衣服を着るときは、患側の腕や足(麻痺や拘縮がある動きにくい方)から、衣服を脱ぐときは健側の腕や足(動かせる方)から、という方法を心がけると介助がスムーズになります。
片麻痺がある方を、椅子に座った状態で更衣介助する例を紹介します。
認知症の方の場合、介助の仕方は症状にあわせてさまざまですが、お身体が動くのであれば見守りと声掛けが中心になります。
例えば着替えの手順がわからない方には、ひとつひとつの動作を丁寧にお声掛けします。
また衣服を着る順番がわからない方には順番に重ねておいたり、それも難しい場合はひとつずつ手渡しするなどで対応します。
急かしたり混乱されるような複雑な声掛けは控え、わかりやすく安心できる声掛けでゆっくり進めていきましょう。
着替えがしやすい衣服を選ぶことは利用者の自立支援につながります。
利用者自身が着たい服を着ることが一番ですが、参考にしてみましょう。
●ぴったりサイズよりゆったりサイズ
●伸縮性のある生地
●上衣の場合、前開きのもの
●ボタンが大きめのもの(ボタンが難しい場合マジックテープやマグネットもあり)
●下衣の場合、ウエストがゴムのもの
ご高齢の方は腕が上がりにくくなったり身体がかたくなることも多いため、特に上衣は服によって着脱が難しくなります。
よって、伸びの良い生地でゆったりとした衣服の方が便利です。
下着や靴下に関しても同じことがいえます。
上衣は、かぶりのタイプより前開きタイプの方がスムーズに着脱できます。
ボタンが難しい場合はボタンが大きめのものを選んだり、マジックテープやマグネットタイプのものもおすすめです。
下衣は男性の利用者で立って排尿する習慣がある場合は、前にファスナーがあるズボンを選びましょう。
更衣介助は日常的に行われる介助ですが、ポイントをおさえていないと利用者の身体や精神に負担をかけてしまいます。
着替えたらそれで良いのではなく利用者の気持ちに寄り添った工夫や配慮、そして介護士として自立支援の視点を忘れずに介助しましょう。
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